静かな部屋に、コンピューターの音だけが響き、
静けさを際立てていた。
そこに居るのは、恋人同士の二人。
世界的探偵のLとごく普通の少女、。
竜崎は高そうなフカフカの椅子に座って、ただ只管にパソコンを眺めていた。
キラ事件に関する資料のようだった。
はといえば、ソファーに寝転んで、熱心に雑誌を読んでいた。
だが、突然顔を上げて、竜崎に話しかけた。
「ねぇ、竜崎。ちょっといい?」
真剣な様子で未だパソコンを眺めている竜崎を見て、
少し控えめには言った。
すると竜崎は声だけで返事をして、紅茶に手を伸ばした。
「えぇ、丁度休憩しようと思っていたところですから。
なんですか?」
は表情を明るくして言った。
「あのね、竜崎にとって、ハチミツの味がしそうな女性って、だれ?」
ずず、っと音を立てて紅茶を飲みながら、このとき初めて竜崎は
の顔を見た。
「・・・ハチミツの味ですか。何なんですか、それは」
「えへ、心理ゲームだよ、ほらここ。」
そう言って、は雑誌の心理ゲームの乗っているコーナーを軽く指差した後、
さっと閉じた。
「あ、見ちゃダメだよ。ちゃんと真剣に考えてよね!」
「そうですか」と小さな声で言って、ほんの少し考えてから竜崎は答えた。
「です」
診断結果・・診断結果・・・えーと・・『それはあなたがキスをしたいと思っている相手です。」・・・・え?
「結果はどうなったんですか?」
どうしよう・・こんなの恥ずかしくて言えないよ。
がそんな事を考えている隙に、
「見せてください」と言って
竜崎が雑誌を取り上げてしまった。
「あ・・・」
声をあげた時にはもう遅く、竜崎はとっくに結果を読んでいた。
「・・・」
「・・・」
竜崎・・・どうおもってるんだろ・・・
「、心理ゲームと言うのも、息抜きにはなるものですね。」
「え・・・」
ふわっ・・・・
返事をするまもなく、気が付けば竜崎の腕の中には納まっていた
「ど・・どうしたの!?竜崎、なんか変だよ?」
慌てるを全く気に留めず、抱きしめ続ける竜崎。
「・・キスしてもいいですか?」
「・・・・・・え・・ちょっ・・まっ・・・」
質問をしておきながらの返事も聞かずに竜崎はの唇を奪った。
ほんの、1、2秒の間の触れるだけのキス。
それでもには、時が止まったかのように思えるほど長く感じた。
なぜならそれは・・・
「・・・りゅ・・ざ・・き・・・」
にとってファーストキスだったから。
恋人との始めてのキスへの喜びと驚きが交じり合って、複雑な感情がこみ上げてきた。
やがてそれは涙に変わって、の瞳に浮かんだ。
泣いているを見て、竜崎はハッとした。
「すみません・・つい・・・もう限界だったのかもしれません。
ずっと、にキスしたかったんです。」
竜崎は本当に申し訳なさそうにしてを見つめた。
だが、は首を横に振った。
「ううん、私・・嬉しくて、吃驚して・・・分けわかんなくなっちゃって・・・・
そしたら、いつの間にか泣いちゃってて・・・多分、心の準備が出来てなかったから・・・」
は顔を真っ赤にして涙を拭いていた。
竜崎は優しく手で涙を掬ってくれた。
そしてもう一度、今度はさっきとは違う甘いキスをして、お互いの愛情を確かめ合った。
「愛しています。・・」
「私もだよ、愛してる・・竜崎」