晴れた空に、暑くも寒くもない丁度良い気温。
今日は外に出て遊ぶのにもってこいの日だ。
が部屋から出て廊下を歩いていると、中庭の方の窓から顔を出し、リンダ達が彼女を呼び止めた。
こんなに晴れているんだから一緒に遊ばないかと誘われたが、今日は止めておくと言って断った。
本当はだって外でみんなと遊びたい気持ちもあったが、遊ぶよりも大事な事があったのでそちらを優先したのだ。
また誘ってねと言って、リンダ達と別れると、はまた歩き始めた。
ある部屋を目指して。
施設内の殆どの子供達が外へ出ているため、いつもは賑やかな廊下にの足音だけが響いた。
ひた ひた ひた ひた
ようやく目的の部屋へとたどり着くと、ドアを軽くノックした。
どうぞ、と声が聞こえると、ドアを開いていつものように彼の隣へとしゃがみこんだ。
あたしはこの場所が好きだ、窓から聞こえてくるみんなの楽しそうな声、入ってくるやわらかい光、パチパチと聞こえるパズルの音、すべてがあたしのお気に入りだから。
「ニア 今日もパズルなのね」
「ええ」
「ねえ、なにがそんなにおもしろいの?」
彼がこの真っ白なパズルにどんな魅力を感じているのか気になった。
あたしなら、きっと何か絵柄があった方がいいと思うし。
「別におもしろくなどありませんよ。私はこれしかもっていませんから」
以外にあっさりとした答えに拍子抜けした気分だったけど、特に気にはならなかった。
「まあ、強いて言うなら・・この真っ白なだけのパズルを完成させたと言う達成感です。
前回よりも早く完成させられるようになったなら尚更です。」
「ふーん」
なんだ、結構はまってるんじゃない。
「・・ところで。なぜ今日もここへ来たのですか?」
「ここに居るのが好きだから。・・・・ニア、あたしが居ると邪魔?」
「・・いえ、そんなことはありません。ですが、は私と居てもつまらないのでは?」
ニアはパズルを止めて、窓のから見えるみんなのほうをチラと見やった。
そして視線をあたしの方へ戻した。
「つまらなくなんかないよ。つまらなかったら、あたし毎日ニアの所になんか来ないもん。
楽しいとは言えないけど、でもみんなと居るよりもニアと過ごしてる時間が好き」
「・・ではこれからもずっと、私の部屋へ来てくれますか?」
「ぇ・・うん!ニアがいいんならあたしずーっとニアの部屋に来る!」
「ありがとうございます」
ニアはゆっくりと微笑んだ。滅多に笑わない彼がこんな風に自分に笑いかけてくれたことが嬉しくて、
はニッコリと微笑み返した。
「 好きだよ ニア 」
気付いたらいつの間にかこんなことを口走ってしまっていて、今まで自覚していなかった自信も驚いたが、
ニアもいつも以上に目を丸く見開いてじっとこちらも見ていた。
「あ・・あの・・自分でもよくわかんないけど、多分そうなんだと思う」
そんな曖昧な告白が、あたしとニアの始まりだった。
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