メロとマットがここを出てからもう二週間経つ。今まではここを利用してキラを追っていたのに二週間も家に帰らないなんて、
何かキラが動きを見せたのだろう。二人が居ないと退屈で、ゆっくりと時間がすぎていくように感じた。
朝になって起きるのは、彼らの朝食を作るために起きていた時間と同じだけれど、彼らが居ないからとりあえず簡単なトーストで済ませることにした。
トーストとミルクをほおばりながらニュースを見る事は日課になりつつあった。
メロとマットは危険な仕事をこなしているから、いつ死んだっておかしくはない。
彼らが死んでいないことを祈りながら、この二週間ニュースをチェックし続けていた。出て行くときには、一週間ほどで帰ってくると言っていたのに、もう二週間も経っていたからは心配で仕方なかった。そんな時、の携帯がバイブを鳴らした。相手を見るとメロと出ていて、
慌てて通話ボタンを押した。
「も、もしもしっメロ?」
「ああ、悪い。
予定より遅くなったが今そっちへ向かっているところだ」
「うん・・じゃあ何か美味しいもの作って待ってるから。
マットにも伝えておいてね」
「わかった、じゃあな」
プツッ・・・
電話が切れると、は急いでトーストを片付けて料理に取り掛かった。
久しぶりにメロとマットが帰ってくるのだからご馳走を作ろうとは張り切っていた。
食材は、いつ彼らが戻ってきてもいいようにしっかりと揃えてあった。
はそれらを手際よく調理してきれいに盛り付けていった。
全て作り終えた頃、ドアがガチャと開かれた。
「おかえりなさい、メロ マット」
は小走りで彼らの元へ駆け寄った。
メロもマットも特に怪我は無く、無事だったという事をようやくの目で確かめることが出来た。
「ただいま」
「ただいま、会いたかったぜ」
「あはは、あたしもだよ」
二人に抱きついて、彼らが生きている事を再確認した。
メロはの頭を優しく撫でた。
「また余計な心配してたんだろう、大丈夫だ俺たちは絶対に死なない」
「・・メロには全部お見通しだね」
顔を上げると二人に笑顔を向け、彼らもそれに答えてくれた。
は、もう料理が出来てるから、と言って二人を部屋の奥へと連れて行った。
食卓には、彩られた様々な料理たちが並べられ、中央には赤や黄色の華やかな花たちが飾られていて、食卓はよりいっそう鮮やかになっていた。
「すごいな、今日はいつもより豪華じゃん」
「うん、二人が帰ってくるから頑張っちゃった」
「ありがとう。
おいメロ、お前も礼くらい言えよ」
「・・・ありがとう。
、手を出せ」
「どういたしまして。
え?こう?」
は言われたとおりに両手をメロの方へ差し出した。
メロはジャケットの内ポケットから小さな箱を取り出しての手の上へと乗せた。
「えっ・・これどうしたの?」
「たまたま目に入って買っただけだ」
「・・あの、開けていい?」
「好きにしろ」
白の箱にピンクのレースでラッピングされた箱をゆっくりと開いていった。
すると中から現れたものは指輪だった。
シルバーのリングに小さな淡いピンクの石が3つ埋め込まれていた。
付けてみると、サイズもピッタリだった。
「可愛い・・メロ、ありがとう」
「・・・飯貰うぞ、腹が減っていたからな。」
メロは席について黙々と食べた。
マットはそんなメロを見て軽く笑い、
「素直に似合ってるって言ってやればいいのに」と言った。
は照れくさそうに笑った。
「マットも早く食べてね。冷えちゃったら美味しくなくなっちゃうから」
「の料理は冷えても美味しいって!自信持てよ」
「そうかな、ありがとうマット」
今の和やかな空気は、メロもマットもも、キラのことを忘れていられるほどだった。
いつも死と隣り合わせにいるメロとマットにとってと過ごすこの時間は唯一の安らぎだった。
このまま時間が止まってしまえば、あたしたちは幸せに暮らす事ができるのに
*綾乃さんへ*