「おい、どこへ行く気だ」

「お天気いいし、ちょっと散歩に行こうかと思って」

「そうか」


メロはとても中途半端だ。
あたしはメロを愛しているし、メロもあたしを愛してるって言ってくれた。
あたしを愛してくれているからこそなのかもしれないけれど、メロはいつでもあたしがどこかに出かけるときは
必ず行き先を尋ねてくる。久しぶりに友達に会いに行った時だって、男なのか女なのかを確認してた。
あたしはメロしか愛してないんだから、メロ以外の男になんか会いに行くはずないのに。
そんなに不安ならいっそのことあたしのことをここに閉じ込めてしまってずっとメロが見張っていればいいのに。
もっと束縛してもいいのに。
あたしはそれがメロなりの愛情だと思っているから。


「ねえ、メロそんなにあたしのこと心配?」

「・・別にそんなことない」


ほら、すぐにそうやって嘘つくんだから。
心配なら心配だって言えばいいじゃない。


「素直じゃないのね。本当は心配なくせに」

「勝手に決めつけるな」

「あたしが他の男のところに行かないか心配なんでしょ?」

「うるさい」


あたしは散歩のついでに買い物でもしてから帰ろうと思っていたから鞄を手に持って仕度をしていたけれど、
そんなのはほったらかしてメロに近寄った。
メロはあたしの言った事に不機嫌になってしまっていたけれど、本当のことなんだから仕様がない。
決めつけるなって言ったくせに、否定だってしないもの。

「メロ、あたしもうどこにも行かない」

「・・・」

そう言ってあたしはメロの隣に腰掛けた。


「友達にも会わないし、買い物だって、必要最低限以外は行かない。
ずっとメロの傍で離れない」

「・・なぜだ?」


今までバツが悪そうにしてあたしと目を合わせようともしなかったのに、
今の言葉でぱっと視線をあたしに移した。


「メロがそれを一番望んでるから」

「・・・」

「あたしがメロを一番愛してるから」


メロは目を見開いて驚いていたけれど、しばらくするとあたしを思いっきり抱締めた。
メロの、いつもの香りがする。
チョコレートと、香水との混ざった様な香り。


「俺は・・キラを追ってばかりでロクにの相手をしてやれなかった。
だから、外へ行かせたくなかったし、他のヤツにも会わせたくはなかったが、
お前を放ったらかしてばかりの俺にはそんなことを言う権利もお前の自由を奪う権利もない。
・・今まで、俺がどれだけが俺から離れない事を望んだか・・まさかお前に俺の気持ちを知られているとは思わなかった」


メロのあたしを抱締める腕に少し力が入った。
そう、それでいい。
あたしはメロのものだから。
離さないでね。


「・・あたしは、メロにならどれだけ束縛されてもいいって思ってる。
むしろそれがメロの愛情だって信じてたから。だからあたしは、
いつになったらメロはあたしを誰の目にも触れない様に隠してくれるんだろう、って思ってたのよ。
だって、メロがあたしを隠してくれたら、あたしはメロの宝物って事になるじゃない。
だれにも渡したくないから、隠すんだもの」


メロはやっぱりあたしの言ったことに驚いているみたいだったけど、結局は、
あたしとメロは同じ事を望んでいたんだ。
それってすごく素敵なこと。


・・もう俺以外のヤツの事は考えるな。
俺だけを見ていろ」

「うん、わかってる。さっきも言ったでしょ、あたしの一番愛してるのはメロだけ。
メロ一人だけなの」


メロはあたしを腕から解放すると、微笑んで、あたしにとびきり甘いキスをくれた。

は俺の大切な女だ」