ザンザス様・・・」小さく弱いこえは、すぐに消えた。は、行為の間ずっとかたく目を瞑り、開こうとはしなかった。
ただ何度も何度もザンザスの名を呼び、血が滲むほどに唇を噛みしめ、涙をながした。


「おまえさ、もう諦めろよ。ボスはおまえのことなんかどーでもよかったんだよ。代わりになる女なんか腐るほどいるし。別におまえは特別じゃなかったんだって。いい加減認めろよな」

「・・・」


ベルフェゴールはの無反応にうんざりと肩を落とした。は未だベルフェゴールと目を合わせようとせず、口もきかなかった。


「レイプされてくやしい?私の体はザンザス様だけのものだったのに、とか思ってんだろおまえ。バッカじゃねーの、ボスはおまえを自分のものだなんてこれっぽっちも思ってねーよ。たまたま拾ってきて、数回気まぐれで体重ねただけだっての」

「・・・」


の表情は、ベルフェゴールからは見えないが(彼女が背を向けてしまっているため)シーツを掴んでいる手の力が強まっているのはわかった。まだ、泣いているのかもしれない。いや、泣いているに違いなかった。白く細い肩が、微かに震えていた。


「ザンザス様・・」

「なあ、おまえボスにはもう会えないよ。だからボスの名前なんか呼ぶなよ。マジでウゼーからさ。オレの名前知らないわけじゃないだろ、ベルフェゴール。呼べよ、ボスじゃなくてオレの名前、ベルって」

「ザンザス様・・」


ベルフェゴールはの上に覆いかぶさり、無理やり顔を自分の方に向かせた。は驚いて目を見開き、いつもは前髪で隠れていて見えない ベルフェゴールの青く美しい瞳を見つめていた。見とれて、つい目を瞑るのも忘れていた。


、オレがそこらへんに転がってる女捕まえてセックスするのとか趣味だと思ってる?言っとくけどオレそんな趣味ないから」

「・・・」

「オレ知ってるよ、おまえのこと愛してるって言ってくれたの、ボスがはじめてなんだろ?それでおまえもコロッと騙されたんだ」

「・・・」

「・・もしオレが、愛してるって言ったら、おまえどうする?コロッと騙されて、オレのこと愛してくれる?」

「・・からかわないで」


はベルフェゴールをきつく睨んで、彼の目が真剣なことに気付いた。とても冗談を言っているようには、見えなかった。


「・・やっぱそんな簡単に愛してくれるわけないか。あーあつまんねー。まあいいや。もうボスには会わせねーし、オレも今から以外の女とは付き合わないから」


ベルフェゴールは、の返事も聞かずに任務だと言って出掛けてしまった。




                (ばいばい  帰ったらいっぱいオレの愛情伝えてやるから)